パートナーの声

ライフステージに合わせてフリーランスと正社員の両方を経験、しなやかに築いたキャリアを強みにし、リーダー職へ

一門真由美さん(リーダーズキャリア事例)

Q:一門様は、ご自身のライフステージに合わせて直接雇用とフリーランスとしての活動を柔軟に選択されていますが、一回目にフリーランスを選択された理由は何でしたか?

パートナーが各地に拠点を持つ職業に就いており、転勤に帯同するために新卒で入った中央省庁の仕事を退職しました。当時、周囲からは「せっかくのキャリアを中断させるのはもったいない。週末婚でも新幹線通勤をしてでも今の仕事を続けたほうがいい」と言われました。しかし、中学生から大学院生時代まで父親は単身赴任、家族が離れ離れで暮らす経験をしたことから、私自身はできるだけ家族一緒に暮らしたいという価値観が強かったので、後ろ髪を強くひかれながらも決意しました。転勤先でも直接雇用で働いていましたが、妊娠中の体調変化が激しく、大学生の通学時間と同じ通勤時間帯、満員の電車の中で床に座り込むことが多発し、一度流産も経験したこと、また今後もパートナーが転勤する可能性もあることから、場所やライフステージに左右されることなくキャリアを継続していけるように、上の子を妊娠した際にフリーランスになることを決意。フリーランスで仕事をしながら、2人の子どもを産み育ててきました。

Q:その後はどのようなキャリアだったのでしょうか。ぜひ教えてください。

下の子を出産後、1社を経て、Warisの紹介でNPO法人にて今に繋がるPRのキャリアを本格的にスタートさせました。ビジョン・ミッションに共感し、組織・業務ともにとても合っていたのですが、当時は毎日オフィス出社だったため、定時ぎりぎりに駆け込み、定時終了時刻にオフィスを飛び出しても、保育園ではうちの子たちが最初に登園し、最後まで残っているような生活でした。そんなとき、周囲の共働き子育てファミリーから「小1の壁」の話を聞き、子どもの新しい生活リズムや人間関係の構築に寄り添い、地域コミュニティにも積極的に関わっていきたい、そのためにもう少し柔軟な働き方に変えたいと思い、再度フリーランスに転向しました。フリーランスでしたが、数百名規模のメーカーやスタートアップのPR・コミュニケーション担当として、社員と変わらないような関わり方をさせていただくことも多かったです。その後、下の子も小学生になり、少しずつ仕事の優先度や比重を上げてもよさそう、と考えたタイミングで再度フルタイム就職を希望するように。Warisに相談し今の仕事(宇宙ベンチャーのPRチームリーダーポジション)を紹介してもらいました。

Q:直接雇用とフリーランスという2つの就労形態を経験されて、どちらがご自身により合う働き方だと感じますか?

正直、どちらのほうが自分に向いているとは言い切れないです。完全出社で早朝から夜遅くまでオフィスにいる働き方は、若い頃はほぼ障壁を感じることはありませんでしたが、家族がいる今、なかなか難しいですね。今の職場はフルフレックスかつ出社とリモート勤務のハイブリッドで、平日の日中に開催されることの多い子どもの学校行事への参加や、PTA活動などにも積極的に携われる環境がとてもありがたいです。今年はなんとPTAで3つの役割、子どもの習い事でも役員を引き受けていますが、それができるのも今の勤務先だからこそです。外国人メンバーも多いですし、男性の育休取得率も高く、メンバー全員が働きやすいカルチャーですね。「最近あのメンバー(男性)みないなぁ」と思っていたら、育休取得中だったということもありました。笑

Q:フリーランスとしての活動後、正社員に戻られたきっかけは何でしたか?

フリーランスを数年間経験し、子どもの進学や家族全員の生活リズムが落ち着いたタイミングで、事業会社の中の人ととして、その事業や業界の未来を創るコミュニケーションに関わっていきたい気持ちが沸いてきました。元々、新卒で中央省庁に入った理由も、日本や世界の未来を創る現場に貢献したい一心からでした。フリーランスとして、複数の企業や業界の発展に寄与することにもやりがいを感じますが、1つの組織に属してその会社にフルコミットする働き方で、今までになかったものを生み出す現場に関わりたいと強く願ったのが正社員に戻った経緯です。
もう1つ、現実的な理由として、教育費や親の介護にかかる費用が増える近い将来を見越した時に、会社に所属して正社員として仕事をしているほうが立場も安定し、それにより家族と接するときの心のゆとりにもつながりますし、収入源も安定するのではないか、と考えたこともあります。

Q:Warisを通じて開始されたお仕事内容について教えてください。

現在は、小型衛星の開発・製造から運用までのワンストップサービス及び小型衛星を利用した地球観測ソリューションの提供を手がける宇宙ベンチャーのPRリーダーをしています。業務内容は、ブランディング、国内外での登壇・展示会の企画と運営、プレス発表などのメディアリレーション、ノベルティやパンフレット、動画やウェブサイトの制作・デザインや、それに付随する社内外のコミュニケーション、全社イベントの企画・運営など、多岐にわたります。

Q:Warisのキャリアカウンセリングはいかがでしたか?

Warisには2014年に登録しました。社会人経験が長くない段階でフリーランスに転向したことや、当時は乳幼児を育てる母親が転職市場においてあまりポジティブに受け入れられていない世の中だったこともあり、自信を失いかけることもありました。Warisのキャリアカウンセリングでは私の経歴や価値観を丁寧にヒアリングしてくださり、職務経歴書の書き方や面接対応に関して、「勤務実績や経験はこう伝えると選考に通る確度が上がりますよ」とアドバイスいただきました。「〇〇の経験が〇〇の仕事に活かせるかもしれないですね!」と自分では思い浮かばなかった職種や業界に向いている可能性を提案され、応募の幅も広がりましたし、キャリアカウンセリングを通して、自己肯定感が上がり、背中を押された気がします。

Q:ご転職(案件獲得)に際し、Warisのサポートはいかがでしたか?

Warisは私のワークスタイルやライフスタイルの意向に沿った的確な提案をしてくれる確率が高い数少ないエージェントの1社でした。例えば、NPOでのPR・マーケポジションを提案されたときも「一門さんにぴったりだと思ったから提案します」とご連絡くださり、実際応募してみるとビジョン・ミッションをはじめとする組織カルチャーがしっくりきましたし、実際の業務でも、私が実現したい未来につながる現場に関われる機会がたくさんありました。また、PR担当は代表をはじめ、経営陣と密にコミュニケーションを取る必要がありますが、当時の勤務先の代表と私は、ここぞ、というときの力の入れ方や考え方が似ていて、候補者のキャラクターやキャリアをものすごく丁寧に分析したうえで提案してくださったのだな、と感じました。

Q:リーダーを目指す女性にひとことお願いします。

まだまだ自分も試行錯誤している部分があるので偉そうにいえませんが、大切にしていることは二つあります。
まずは、チームメンバーに対して、希望溢れる未来と、そこに関わる自チームの役割を明確に示すことです。10年後やその先の自社と社会の未来像を描き、その実現のため中期的にはこんな戦略を、手前の年間戦略だとこれらを仕掛けて、その成果を翌年にそれぞれこうつなげていこう、とマイルストーンを描き、モチベートしていくことです。時にはチーム内で議論や対話をしながら、全員が腹落ちした状態で仕事に取り組めるようにしています。
それから、同じPR・コミュニケーションに関わるチームでも、得意なこと、価値観、これまでの経験が違うなかで、お互いに「違う」ことを理解したうえで、その違いがチームの強みになると信じてマネジメントすることです。育児でも、子どもの特性ややりたいことと、親が子どもに求めることは違うことが多いですし、その違いを無視して親の意向を子どもに押し付けるだけでは何も上手くいかないですよね。仕事においてもチームメンバーを信頼、尊重し、「メンバーがやりたいこと」と、「会社やチームの目標」をつなげて成果を出していくことがリーダーの重要な責務だと考えています。

一門真由美さんのプロフィール

これまでのキャリア

1. 大学院卒業後、中央省庁に入省
– 通商政策の立案に関わる各種業務や省内外関係者とのコミュニケーション、海外広報事業の企画・プロジェクトマネジメント、統計調査の企画と公表を担当
2. 国立大学法人
– 国際部門で海外の調査研究機関との共同研究に関する各種データ取りまとめ・調査業務に従事
3. フリーランス
– フードコーディネーターとして、調味料や調理器具メーカーのプロモーション支援やレシピ開発を、ワークライフバランスコンサルタントとして、「女性のライフイベントとキャリア」に関連する社会課題提起を行う任意団体の立ち上げと運営を実施
4. コンサルティング会社
– 総務部門をクライアントとするコンサルティング会社で、戦略から実装まで全てを対応するコンサルタントとして複数プロジェクトを担当
5. NPO法人
– 代表直下で広報・マーケティングを担当し、年次報告書などの発信物の企画と制作ディレクション、WEBサイトの全面リニューアルや各種イベントの企画・運営、メディア対応などを担当
6. フリーランス
– スタートアップ・メーカー・教育機関などのPR・コミュニケーション企画に伴走
7. 2022年〜現在
– 小型衛星のパイオニア企業のPRチームリーダー

Warisからご紹介したお仕事

小型衛星のワンストップサービス「AxelLiner」、地球観測プラットフォーム「AxelGlobe」の2事業を展開し、小型衛星と関連コンポーネントの設計・製造、打ち上げのアレンジメント、打ち上げ後の軌道上における運用支援、衛星ソリューションの提供までをトータルに手掛ける宇宙ベンチャーのPR担当。

(※こちらのインタビューは2024年6月時点での情報に基づいています)

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